世界は with コロナの時代へ 『マスクとリモート・オンライン生活による眼への影響と対処法』

新型コロナによる感染拡大を防止するため、新しい生活様式となった今の時代。

マスクの着用やテレワークなどは、実は私たちの眼に様々な影響を与えています。

今回は、そのような今の時代に役立つ、マスクとリモート・オンライン生活による眼への影響と、それらの対処法をご紹介します。


① マスク生活による眼への影響

1)マスクドライアイ

マスクから漏れる、上向きの呼気(吐いた息)によって、眼表面が乾いた状態になることをいいます。 マスクと顔の隙間を少なくして、マスクドライアイを予防しましょう。また、コンタクトレンズを 装用すると、コンタクトレンズが涙を吸うため、ドライアイになりやすくなります。そのため、 可能であれば眼鏡に代えましょう。それでもドライアイが改善しない場合は、点眼薬の処方も できますので、ご相談ください。


2)マスクで眼鏡が曇る時の対処法

●マスクの上部を内側に折る

鼻パッド付きマスクにする(洗って繰り返し使えるマスク用の鼻パッドも売られています)

KF94という韓国のマスクは、呼吸がしやすい、眼鏡が曇りにくいと話題になりましたが、販売元によっては不良品があるようなので、ネットでマスクを購入する際は、お気を付けください。

眼鏡店で防曇レンズの眼鏡を作る(防曇加工できない眼鏡店もあります)

曇り止めグッズを使う(100 円ショップにも曇り止め用のレンズ拭きやスプレーが売られています)


3)眼鏡の洗い方

巣ごもりや在宅勤務など、眼鏡を使う時間が長くなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

眼鏡は指で触らなくても、涙の飛散や空気中の埃が付着して徐々に汚れます。 眼鏡は水洗いが基本です。お湯はフレームの変形やレンズの膨張を引き起こすことがあるので、 使うのは避けましょう。

流水で汚れを洗い流し、レンズを傷つけないようティッシュやタオルで 水分をとり、レンズ拭きで仕上げます。しつこい汚れは、中性の洗剤(食器用洗剤など)を数滴溶かした 水ですすぎましょう。

酸性やアルカリ性のものが多い石鹸では、レンズのコーティングや眼鏡の変性を 引き起こすことがあるので、注意が必要です。



②リモート・オンライン生活による眼への影響

1)ブルーライト

 

ブルーライトとは、太陽光や LED、スマホなどのディスプレイ機器から発せられる、紫外線に近い波長を持つ光のことです。ブルーライトを夜間に浴び続けると、体が昼間だと感じ、体内時計が狂い、不眠症につながる恐れがあります。

そのため、就寝2~3時間前にはブルーライトカット眼鏡をかける、寝室の照明を暖色にする、などの対策をとると良いでしょう。

また、ブルーライトが眼精疲労や、眼球に障害を与えると言われていますが、これに関しては今のところ、科学的根拠がないとされています。そのため、1日中ブルーライトカット眼鏡をかけること、視力良好な人がかけることは特に問題ありませんが、推奨もされていません。ただ、太陽光が小児の近視抑制に効果があるという報告が出てきているため、小児にとっては、ブルーライトカット眼鏡が眼の発育に悪影響を与える可能性があります。また、世間には様々なブルーライトカット商品がありますが、カット率にはEN規格やJIS規格、BS規格など複数の計算方法があり、同じ商品でもカット率が違って表記されることがあります。

特に、BS規格は他の規格に比べ、約 1.3 倍大きく表記されるので、注意が必要です。さらに、広告のカット率と実測値に差がみられたり、どの規格で計算したか明記していない商品もあるため、カット率を比較する基準が曖昧になっている現状があります。商品選択にあたっては、説明書をよく確認する、疑問があればメーカーに問い合わせるなど、納得した上で購入することをお勧めします。 


2)VDT症候群

VDT とは Visual Display Terminals の略で、ディスプレイ画面と入力装置があるもののことです。

VDT を用いて長時間作業を行うことにより、身体的および精神的な症状が生じることを VDT 症候群といいます。眼精疲労やドライアイ、首や肩のこり、腕や手の痺れ、頭痛や不眠などの症状がおきます。

作業時間は 60 分を越えないようにし、作業と作業の間は 10~15 分の休止時間をとることが推奨されて います。眼精疲労予防に関しては、『20-20-20 ルール』というものがあるので、ご紹介します。 


 

20-20-20 ルール』 

20 分ごとに-20 フィート(約 6m)先を-20 秒以上見る  

 

このルールは目安であり、時間や距離を正確に測る必要はありません。眼の疲れを感じた時や、 思い立った時にしていただくと良いでしょう。また、眼精疲労は、眼鏡やコンタクトの矯正の程度が 強いことも原因の一つとなっています。見えづらさが解消されない場合は、ぜひご相談ください。

最後に、眼の病気には、気付かないうちに進行しているものがあります。特に 40 歳以上の中高年の方は、

1年に1回の定期検査を受けることが望ましいと言われております。お子様や若い方でも、眼に異常を 感じた場合は、早めに受診されることをお勧めします。 

(検査・Y)