ドラマ「恋です!~ヤンキーくんと白杖ガール~」

10月からドラマ「恋です!~ヤンキーくんと白杖ガール~」(水曜夜10時~)が始まりました。このドラマ、ただの恋愛ドラマじゃないんです。主人公は弱視の女の子(杉咲花さん)で、目に不自由さを感じる人たちがどんな工夫をして生活をしているのかがドラマの中に詰め込まれています。ちょうどロービジョンの勉強をしていたわたしは、ドラマを見ながらつい興奮してしまいました。

 

主人公の女の子は、光と色がぼんやりと見える弱視。ものを目に近づければかろうじて見える程度ですが、道具を使ったり、記憶を頼りにしたりすればちゃんと日常生活が送れます。ある日、主人公のユキコが白杖をついて学校に向かっていると、点字ブロックに座り込むヤンキーたちに遭遇しました。どいてほしいと頼むとヤンキーくん(杉野遥亮さん)に白杖を掴まれ、驚いたゆきこはヤンキーくんの股間を反射的に蹴りあげてしまいました。もがき苦しむヤンキーくんを心配して顔をよく見ようとユキコがのぞき込むと、顔の近さに驚いたヤンキーくんは恥ずかしさから固まってしまいます。ぴゅあなヤンキーくんはこの瞬間、恋におちてしまうのです。目が不自由なユキコの気持ちになって寄り添おうとするヤンキーくんに注目です。

 

ドラマの中には弱視の人のための、白杖(はくじょう)や拡大読書器といった日常生活をお手伝いする道具や目が不自由な人を誘導するときの方法、視覚障害だということを受け入れる弱視の方の葛藤、とにかく盛りだくさん!これらが登場すると、映像つきで簡単な解説があるので、とてもわかりやすかったです。

 

 突然ですが、みなさんは「情報の80%は視覚から得ている」という話を聞いたことはありますか?言葉のとおり、生活をしていく上でほとんどの情報は目で得られています。もしも目をつむっているときに知らない人から声をかけられたら、不安になると思います。声しか聞こえないので、誰なのか、どんな表情でどんな格好をしているのか、前に会ったことのある人なのか、わからないことだらけで怖いはずです。ほとんどの人が、目を開けて確認したくなりますね。だけど、目の不自由な人はそれができません。

 

 先日、わたしは駅で盲導犬を連れた女性が道に迷っている場面に遭遇しました。バス乗り場まで案内したのですが、後にそのときの誘導の仕方が間違っていたことを知りました。想像力を豊かにすれば、後からああすれば良かった、こうすれば良かったと後悔しなくて済みます。このドラマなら、よく見えない人たちの生活を丁寧に描いてくれているので、想像をより豊かにしてくれると思います。突然弱視の人に出会ったときに配慮することができるのではないでしょうか。

 

 弱視の人って少ないし、出会う確率も低いんじゃないの?って思った方!弱視の方が生活がしやすい環境は、健常者にも過ごしやすい環境であるということです。点字ブロックに自転車が置かれていたら、弱視の人は通れませんし、わたしたちも邪魔に感じますよね。

興味のある方はぜひ見てみてください︎☺︎

 

毎週水曜日夜日本テレビ系(宮城県はミヤテレ)22時〜放送。ぜひ観てくださいTVerで見逃し配信やってます。

 

https://www.ntv.co.jp/yangaru/

ロービジョンとは??

目の機能に障害があり、治療をしても見え方が良くならず、日常生活に支障をきたしている人の状態をいいます。症状は、見えにくい、まぶしい、視野が狭いとさまざまです。

 

視能訓練士の卵 A